塩顔PTのブログ

リハビリ施設に勤める理学療法士です。知識の整理や、臨床で役に立つと思われる情報を提供していきます。

車いすにおける褥瘡予防

今回知っておいてもらいたい内容としては、大きく2つ。

移乗の後の臀部の状態と、現場でできる姿勢の調整についてです。


皆さんは患者さんを移乗させた後、何か意識されることはありますか?

移乗動作において見落としやすいポイントの一つに“圧抜き”があります。

いくら良いトランスファーをして座ることができたとしても、

身体が不自由な方には、移乗後のその姿勢がきつい姿勢なのかもしれません。

健常な方にも体験してもらえることですが、坐骨結節(お尻の下の出っ張っている骨)に手を当てて、

体をかがませた状態で座らせた後、身体を起こすと臀部にずれを感じるかと思います。

この状態は、皮膚と骨との間に強い引きちぎれるような力が働いている状態となります。

(ぼくの場合は3分で、体動がしたくなりました。)

長時間に渡れば、血流障害に拍車をかけることとなります。

発赤程度であった患部が、褥瘡に発展する可能性もあるということです。


そこで、ちょっとした“圧抜き”をすることで、褥瘡の進行が抑えられる可能性があります。今回は2つやり方をお伝えします。

一つ目は、利用者さんに腕を組んでもらい、左右に揺さぶるやり方です。お尻にかかった体重を抜くようにして、倒れるように誘導します。

この時の注意としては、引っ張り上げないことです。


2つ目は、直接、臀部に手をもぐして、圧を抜く方法です。上体を傾けるようにして、圧を抜きます。

この適応者としては、認知症で、口頭指示が入りにくい人や、

先程お伝えした、上体を持ち上げると、痛みを訴えられる方に有効かと思われます。

手をもぐしにくい、ズボンが濡れているといった触りにくい場合、ビニールの手袋を装着してもよいかと思われます。

変形性膝関節症と骨盤アライメントの関係性について

皆さんは、変形性膝関節症というと何を想像されますでしょうか?


主訴としては、膝の荷重時痛や、膝の熱感、腫脹、発赤・・様々です。

 

変形性膝関節症の理学療法というと、


大腿四頭筋の筋力強化、ハムストリングス(ももの裏側)のストレッチといったところが主流でしょうか。

 

本日は、そんな膝関節症のリハビリに、もっと重要かと思われる評価のポイントをお伝えしようと思います。

 

今回のキーワードは“姿勢”についてです。

 

骨盤が後傾されている方、下降性の運動連鎖が引き起こされます。

 

骨盤の後傾→股関節伸展・外転・外旋→膝関節屈曲・内反・内旋→距骨下関節回外 

その場合、膝はO脚になりやすいということです。

 

O脚が原因で膝の荷重時痛がある人に大腿四頭筋の筋力強化を一生懸命したところで、姿勢が変わらなければ・・・骨盤の評価もしてみてください。

 

”老化による姿勢の変化としては,円背,股関節屈曲位, 膝関節屈曲位,腰椎後弯 がある。これらは筋力の低下,骨の変形,関節の変形により生じる。” といった報告もされています。

 

その他の対応としては、コルセットを装着することもアリかと思われます。

 

コルセット着用により、腹腔内圧の向上、骨盤の前傾→膝のO脚が改善

 

こういった良い下降性の運動連鎖が起こる方も多いです。

 

 

 

引用文献)丸山仁司:老人の評価.理学療法科学.12(3):141‐147,1997

 

 

はじめまして

はじめまして。

ブログの管理人の塩顔と申します。

このブログではリハビリと介護の知っておくとためになる情報を提供していけたらとおもいます。
(常識的な内容も盛りだくさんでしょうが・・・)

日々の臨床の知識整理としても活用していきます。

よろしくお願いします。